話しの大半は６畳一間、押し入れ・風呂・トイレ・台所付きのアパートで進行する。
若干、エロ要素のあるドタバタ劇。笑えて泣ける寸止め版「完全なる飼育」かもしれない。
主人公のオッサンは若い頃から様々な商売に手を出し、
「いつか大金持ちになるんだ」と、あがき続けて生きてきたが、
チャレンジはことごとく上手く行かず、借金ばかり増え、親戚からも見放され、友も無く、
アルバイトで日銭を稼ぎ、無理のしすぎで身体も壊し、恋人にも愛想を尽かされ、
アルバイトすらクビになりかけて、家賃も滞納している状況に、
自分の人生が「詰んで」行くのを感じながら暮らしていた。
オッサンが金持ちになることに執着していたのには理由があった。
オッサンが家庭の事情から進学をあきらめ、工場で働いていた頃、
幼馴染の憧れの女の子「思い出の君」を、ベンツに乗った金持ちハゲ親父に横取りされた苦い思い出があったのだ。
オッサンはその娘への恋心を抱き、金持ちになれば彼女を奪い返しに行ける。そう信じて金持ちを目指してきたのだ。
それはすでにオッサンの生き様に染みついた惰性になりつつもあったのだけど…
そんなオッサンの唯一の楽しみは仕事帰りの深夜にコンビニに行くこと。
ある日、オッサンは深夜のコンビニの前にうずくまる家出少女を発見する。
そして、少女の顔は、かつて奪われた最愛の幼馴染と瓜二つだった。
思わず声をかけた少女に、一晩好きにしていいから泊めて欲しいと言われ
オッサンは激しく動揺しつつ、朝になったら帰るんだよ！？と裏返った声で言ってしまう。
オッサンの過去を知り、オッサンの心を弄ぶサセズボッタクリ少女は、本当に「思い出の君」の娘なのか？
少女に金を持ち逃げされたデリヘルのチンピラが、家賃の督促を迫る家主が、
帰らないＮＨＫ集金人が、覗き趣味の変態隣人男が、酔っ払いセクハラ上司が、
そしてベンツに乗った謎のハゲが、オッサンの部屋を襲撃する！！
オッサンの淡い初恋の思い出と、若い肉体への劣情、童顔少女の悪女っぷり、襲撃者達とのバイオレンス
家出少女を「不幸と悪い奴ら」から守りたいと願う、オッサンの純情はどこへ流れ着くのか？
ラスト、少女の家出の理由、「思い出の君」との関係、全ての謎が明らかになり、大団円を迎える。
返信する
