北野氏の映画ってのは、「現代邦画に定着してる現代人への挑戦状」みたいなモンでさ。
なんつうか、「オイラは脚本に力入れてないの分かるでしょ?で、ソコまで悪く無いでしょ?」みたいな。
ワルの男達が競争相手と仲悪くて、なんだコラ、なんだコノヤローってだけで面白くしようとしてる。
で、「今の時代、金よりも出世ですよ」とか意味深なセリフをやったり、黒人を殴ったりして斬新さを出す。
現代社会を意識したセリフとか、外人を殴ったりするのは海外では普通だけど、今の日本では斬新過ぎるほど斬新。
俺は、北野氏の気持ちがよ〜く分かる。(北野武監督、すいません。生意気言ってすいません)
もし俺が映画を作るとしたら、北野氏と同じように「脚本は超適当」でやりたいと思ってるし。
例えば、ニートが初めてバイトをする、とか、リーマンが同僚のOLに恋をする、とか超シンプルにやりたい。
北野氏は、レベルアップを狙ってて、将来良い作品をはじき出すタメに、あえてハードルを上げてるんだよ。
脚本にずーっと甘えてたら、いつまで立っても名作を生む事なんて出来ないんだから。(今の邦画界は甘えてもクソだけど)
例えば、人気漫画で「今日から俺は!!」とか「こち亀」とか「ゴルゴ13」とかがあるけど、
見た事無い人間に「その漫画の魅力って何??」って聞かれて、面白さを伝えられる奴ってあんまいないだろ。
物語・内容だけではマジで伝えるのは困難だよ。まずは見てくれとしか言えなくなる。
今日から俺は!!→高校デビューの二人のヤンキーが街の不良とケンカ。二人は性格が対照的。
こち亀→下町の巡査がふざけた野朗で上司や町の人々を困らせる。でも結構人情が熱い。
ゴルゴ13→世界を股にかける殺し屋。とにかく色んな人を殺す。ケンカ強い。無表情。国籍不明。
↑これを説明したところで「普通にありがちじゃんw」ってなるのが普通だよな。
でも面白いし、人気がある。読んでみなきゃ分からないってのはそういう事でさ。
読む人達に響くセリフ、嬉しいセリフ、耳が痛いセリフ、善と悪の区別、すべてが詰まってるモノが人気作品の特徴。
今の邦画界は「この内容どう?この脚本どう?そそられねえ?」っていうのばっか。ソレが作品を腐らす第一歩になるんだよ。
長くなる。あー長くなる。〆る。
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