>>35 >ランクに入ってる「レスラー」は、
>何も手に入れられなかったけど、
>それでもこうやって生きていくしかないっていう前向きな結末だったような・・・
われわれ日本人(非キリスト教徒)が観てもなかなか気付き難いが、実は
アメリカ映画にはキリスト教の思想が潜んでいる作品が結構ある。
『レスラー』の場合は、主人公ランディの苦境をキリストの受難に重ねている。
リングネームはランディ・“ザ・ラム”(“羊”=宗教的な儀式の生贄)だし、
「実際のレスラーにも珍しくない」と、気にも留めない観客も多かったであろう
“長髪”も、実はキリストになぞらえたもの。
また、劇中で中年ストリッパーが、メル・ギブソン監督の映画『パッション』
について語るシーンもある。
『パッション』はキリストがローマから受けた拷問を詳細に描いた作品で、
その描写は『レスラー』の血まみれの試合と酷似している。
キリストもランディも、共に自ら進んで殴られるために頬を差し出す存在であり、
“ゴルゴダの丘”と“リング”も、共に大衆にとって残酷かつ感動的な娯楽・ショーの
舞台でもある。
だから当然、最後に待っているのはランディ(=キリスト)の死。
ラストシーンで、ランディがコーナーポストに登り両手を広げてダイブする姿は、
まさに十字架にかけられたキリストの姿を暗喩している。
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