>「神はこの世にただひとつ」みたいなフレーズが繰り返し出て来る
実際、マホメットが主張していたのはそういうことだし、
マホメットに、神はあまねく遍在するなどと、スピノザちっくなことを映画で言わせたら、
それこそ史実どころか、原理主義者から殺されてしまいますがな。
そもそもユダヤ教、キリスト教、イスラム教が広まった背景は、
心の平安を与えるための布教というよりは、民衆統治のための民族・国家戦略みたいなものだし。
教養の存在しない民衆相手に、近代民主的な法による概念よりは、
人智を超えた絶対者の存在を前面に押し出す方が効果的なわけで。
「神がこのように法を説いたのだ、だから従わなければならない!」的な理屈だし。
ただ民衆の賛同を得るためには、誰もが否定し得ない道徳的な要素を散りばめないと難しい。
そういう部分で愛や平和って言葉のレトリックが出てくる。
イスラム教にもそういう面が多々ある。
確かに、この手の映画は胡散臭い面も多々あり、
批判的にみれば、際限なく口撃対象になってしまうけど、
マホメットという宗教的制約の多い題材の中で、
イスラム教を創出した時期の映像化としては評価できるのではないかと、そう思いますな。
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