>>56 「激突」は素晴らしかった。
観客が「追われる主人公の気持ちになって見入った作品」の代表作と言っても過言じゃない。
また、観客が「追う側の人間の気持ちになって見入った作品」と言ってもいい。
主人公に「何で俺が?ありえねーよカス!ふざけんな!戦うぞ!理不尽だし!」っていう雰囲気は皆無だった。
どちらかと言えば、「なんとな〜く・・分るような・・」みたいな後ろめたさを感じた。
別に相手の車を追い越した事に対する負い目ではなくて「普段からの生き方に自信を感じてない」みたいな。
「俺はそのトラック野朗に恨まれる筋合いは無いハズ・・でも、俺の事だから何かありそう・・」みたいな。
で、追う側のトラック運転手は、最初から最後までずーっと無言で、顔も見えなくて、結局正体も謎で終わる。
唯一見えたのは、「トラックを運転する腕」だったな。
しかもその腕は、主人公に意地でも食らいつこうとする「執念深さ」と「狂気」を強く感じさせるモノだった。
ソレは、見てる人達が「だから何でそんなに必死なんだよ?」って言いたくなる程のモノだったな。
激突は、普段から人を裏切ったり虐げたりしてるタイプの人間が見ると、「追われる側」の視点で見てしまう。
また、普段から人に裏切られたり虐げられたりしてるタイプの人間が見ると、「追う側」の視点で見てしまう。
主人公の気持ちになった観客は、「なんかスッゲー怖いんですけどw」と、恐怖感を楽しめる事が出来て、
主人公を追う人物の気持ちになった観客は「よし!もう少し!やっちまえw」と、爽快感を得る事が出来る。
ラストではトラックが崖に落ちて、それを見た主人公は歓喜で興奮する。
で、「ざまみやがれwははは!ははは・・は・・」ってな感じで、
嬉しい気持ちはすぐに消えて、その場に座り込んで、小石を投げながら何か物思いにふけて、映画は終了する。
追う側のタイプは「結局、怒りにまかせるのはよくない事かも・・」という気持ちになって、
追われる側のタイプは「助かったけど・・人の怒りを買ったらロクな事ねーな・・」という気持ちになる。
長くなってしまった。。。激突の話なんで出すから。。
とりあえずご静聴ありがとうございました。
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