やっかいすぎる最新作
松本人志監督最新作「R100」の興行成績が芳しくないと、あちこちで話題である。アクの強い映画を
作って、うまいこと当たればなお良しと期待する部分も無いことはないだろうが、普通に考えればこ
れだけハチャメチャやり続けている松本映画に一般受けは期待できない。そんなことは業界人なら10
0も承知で、大コケ報道それ自体がパブリシティの一環ではとか、監督自身を追い込むMプレイじゃな
いかとか、いろいろと考えてしまう奇妙な事態である。
中年サラリーマン片山貴文(大森南朋)は、怪しげなSMクラブに入会する。それは、契約期間1年間
の間は24時間いつ女王様がやってきてプレイ開始となるかわからないという、究極のプレイであっ
た。さまざまなタイプの女王さまがやってきて過激プレイを繰り広げるサービスに、当初はM心を満
足させられていた片山だが、やがて日常生活に支障が出るタイミングで彼女らが現れるようになっ
てしまい……。
大森南朋演じるM男の前に現れる女王役は、大地真央、寺島しのぶ、片桐はいり、冨永愛、渡辺直美
と、様々なタイプがそろっている。露出やセクシーな場面はさほど期待できないが、
その分、シュールな笑いに満ちた不条理ドラマである。
これまでの松本作品を見てきた人には説明するまでもないが、わかりやすい説明とか起承転結とい
った観客サービスとは正反対にある不親切なつくり。だから「つまらない」とか「ストーリーが破
たんしている」などといった批判はすべて誤りである。最初の1作ならいざ知らず、この監督は一貫
して、わざとそういうものを作っているのだから。ここは、「こんな映画は見たことがない」とか
「発想がいかれている」「異様すぎる」といった点にこそ期待していくべきである。
http://movie.maeda-y.com/movie/01794.ht... そこまで駄作ではないらしい。60点。
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